2007年01月08日

運営スタッフのひとりごと(選手権番外編):高校サッカーの戦術とは?

第85回全国高校サッカー選手権大会は、岩手県代表・盛岡商業高校と岡山県代表・作陽高校の決勝となり、どちらが勝っても同県での初優勝となる状況でしたが、周知のとおり、結局、盛岡商業高校が見事に初優勝を飾り、閉幕しました。一方、かつて何度もの全国優勝を誇る強豪校が次々と敗退し、全国における各地域の実力差は拮抗してきていることを裏付けた大会だったとも言えるでしょう。

ところで、大会を振り返れば、PK戦が非常に多く(ベスト8までに15試合くらいでしたか?データ的に、これは昨年あたりから突出して増えているようです)、多くの強豪校がPK戦で涙をのんだこともあり、観ている方としては、今ひとつ釈然としない思いが残ったこともまた事実ではないでしょうか。

大会運営上、高校生ということもあって、全体スケジュール管理の問題や、応援体制の問題、滞在費用・環境等の問題、また選手の疲労度の問題などなど、やむをえない諸事情を考慮してのことであることは充分理解出来ます。しかしその一方、準々決勝までは「40分ハーフで延長なし、PK決着」というルールは、戦う当事者同士の身になって考えてみたときに、果たして双方に心から納得出来る結果が得られたのだろうかと思うと、複雑な思いが残るのは筆者だけでしょうか。ちなみに、21回連続出場で、今回初めて緒戦敗退した国見高校の監督は「延長をやっていれば本当の実力が出たはず・・・」とコメントされていたと思います。

また、結果論ですが、決勝戦における盛岡商業高校の2点目の決勝点も、後半40分過ぎに生まれたものでした。これが40分ハーフであれば、延長戦(準々決勝までであれば、1-1の引き分けで、またしてもPK戦)となったところです。かつてはコーナーキックの本数で勝者を決めた時代もあったと言いますが、またそれはそれで、基本戦術に大きな影響を与えるような気もします。といって、抽選という判断も無いでしょう・・・。

こうした運営ルールが高校サッカーの戦術に与える影響を考えてみると、例えば、事前の戦力分析を経て、明らかに劣勢とみられる高校が徹底的なディフェンス重視戦術を採用し、PK戦を目指す。そしてPK戦での(幸運な?)決着を目指す・・・。いささか、爽やかではない戦い方とも言えますが、現実的な勝利のためには、今後、全国大会に臨んで、こうした戦術を採用する高校が増えても不思議ではない気がします。

我が国士舘も、昨年の選手権予選で同様の戦術を採る高校に苦戦を強いられた経験があります。とはいえ、最近のサッカー戦術の基本として、「まずディフェンスを固める」方向はデファクトとなりつつあります。ということは、限られた時間内できちんと得点をし、明確な形で決着をつけるためには、圧倒的な力の差を有するか、よほど相手の特徴を丸裸に分析し、確実に得点出来る戦術を構築するか、今後、厳しい戦いをしたたかに勝ち抜くためには、どちらかの戦略・戦術が必要になってくるのではないか。そんな思いを強くした、この大会でした。

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(担当:三島)